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dornblatt
*lundi 12 mars 2007

【 夏ミカン 】

—— プシュ
家から送ってくるもので、自分では手に負えないものをいつも持ってくる友人が、夏ミカンを6個も置いていった。果物屋さんやスーパーでもめったに目にしない夏ミカンとは、なんともめずらしいものを持ってきたものだと思っていた。
夏ミカンは正確には夏橙(なつだいだい)というそうだが、程よい酸味が売り物だったとはいえ、世の中に甘いものがいきわたると、消費者の好みも自然と甘みの強いものに向くようになり、夏ミカンも甘夏にとって代わられた。
甘夏ミカンは正しくは、川野夏橙(かわのなつだいだい)というらしい。その名の通り、大分県津久見市の川野さんの果樹園で、昭和10年ごろに発見され、昭和30年代ごろより増植が始まっていたものだ。私自身の経験からしても、甘夏は夏ミカンと比べて甘みがあり、ずいぶんと食べやすかった。
ところがである。友人の夏ミカンは相当手ごわい。強烈に酸っぱいのだ。夏ミカンといっても甘夏だろうと決め込んでいたところ、正真正銘の夏ミカン。昔食べた夏ミカンを思い浮かべても、これほど酸味が強くはなかったのではないか。とにかく酸味があるだけで、甘みなど微塵も感じられない。
確かに最近の果物はどれを食べても、甘みの強いものが多いが、だからといってこう酸味が強いだけでは、うまくもなんともない。お前は食ったのかと友人に聞いてみると、一つも食べてないらしい。物は試しだから、一ついや少し食ってみろと言っても、首を縦に振らない。ひょっとして売られていたのではなく、どこかの家の庭になっていたものを、おすそ分けされたのではないか。デコポンが恋しくなる。
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