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dornblatt
*mardi 28 novembre 2006

【 銀杏の栞 】

—— プシュ
の栞として使われる葉のなかでは、イチョウの葉が多いようです。以下は古書店主で直木賞作家の出久根氏の本によりますが、イチョウの葉は、栞兼虫除けであったようです。
虫除けとして使われていた歴史は古く、江戸時代に遡るのではないかとされています。『広辞苑』の編者の新村出氏が結婚したおり(明治33年)、奥様の父上からお祝いに古書を送られました。延宝元年(1673年)版の『源氏物語の湖月抄』です。全55冊の各冊には、イチョウの葉が挟んでありました。以来50年以上(昭和30年)にもなるが、この和本には寸分の虫食いもなかったそうです。
新村氏の岳父は幕末の生まれですから、虫除けにイチョウの葉を使う習わしは、相当昔からあったようです。それもこの知識は、一部の知識人のみならず、一般的なものでした。当時(宝暦13年・1763年)の川柳に、「いてふの葉を入れておかれぬ娘の子」と読まれています。
またこのころ(宝暦)の笑い話に、年頃の娘が親に珍しい模様を染めてほしいと、腰巻きをねだったところ、父親がそれならイチョウにしろと勧めました。娘がなぜにイチョウなのかと問うと、虫がつかんでよいと。
イチョウは文芸作品にもなり、宮沢賢治の『いてふの実』や泉鏡花の『化銀杏』などがあります。イチョウの起源は古く、古生代のデボン紀(約4億800万年前~約3億6000万年前)に遡ります。街路樹として使われるのは、潮害や煙害に強く、耐火性もあるためです。
イチョウはもともと「カロチノイド」という黄色い色素を持っています。普段は葉緑素の「クロロフィル」に隠されて、葉は緑色です。木々の冬支度が始まると、「クロロフィル」が壊れて、「カロチノイド」の黄色が現れます。葉が黄色くなるのは、もともと緑色で隠れていた「カロチノイド」の黄色が顔を出したのです。
欧米では古くから庶民のあいだで、イチョウの葉のお茶が飲まれていたそうです。
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