db
dornblatt
*samedi 11 mars 2006

【 はじめての本 『下』 】

—— j
日も出てきた五木寛之氏の「青春の門」には、ぜんぜん違う場面での思い出があります。
その昔、よくいえばこじんまりとした、悪くいえばいろいろな意味でいろいろとたいへんな、街の学習塾で教えていたときのこと。生徒が入院したとかで、見舞いに行くことになりました。
直接私が教えていた生徒ではなかったと思うのですが、女性の経営者に同行するようにいわれ、入院中に読む本でもということで、何か見繕っていくことになったのでした。
私はというと、当たり障りのない翻訳物の小説を選んだような記憶があるのですが、その経営者が持参してきた本が「青春の門」なわけです。しかも何篇だったか忘れたのですが、その『下』一冊なわけです。
そのときの言葉がふるっていて「この本けっこう面白かったの。私の読んだ本だけど、よかったら読んで」
すてきです。あんまりすてきすぎて、もうひとりの担当教師が持ってきた本も、自分が持っていった本もすっかり吹き飛んでしまいました。
帰りにそのもうひとりの担当教師が笑いながら言った「あれにはやられたね」という一言に、深くうなずいたのでした。
現在     !     過去