db
dornblatt
*mercredi 8 février 2006

【 幻嗅 】

—— j
か臭う。
匂うではなく臭うです。たいてい寒くなった今時分、自分にだけ何か風変わりな臭いが感じられるようになります。
香ってくるというようなものではなく、それは鼻をつくといっても過言ではないくらいなのに、まわりの人にたずねてみても、いっこうに感じていないらしく、やはりどうやらこの臭いは、私にだけするようなのです。
ゆえに幻嗅と呼んでおります。
臭いというのは慣れやすく、しばらく嗅いでいると感じにくくなるといわれますが、この臭いは繰り返し繰り返し、一週間ほど臭い続けます。しかもほかで嗅いだ記憶のない、たとえようのないものです。
料理を食べていても臭いがし、食べ物の味も損なわれるので、けっして好ましいわけではないのに、この臭いは不思議と癖になるもので、なんとなくクンクンとその臭いがすることを確認してしまいます。痛い傷口に触って、痛みという存在を再確認せずにはいられないのと同じと申しましょうか。妙な案配の臭いです。
医者にかかったことがあるわけではないので、正確な原因はわかりませんが、たぶん寒くて空気が乾燥しているこの季節、香りを感じる鼻の粘膜の辺りが炎症を起こし、存在していないはずの臭いを感じているのではないかと想像しています。
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