
vendredi 7 octobre 2005【 今日も元気だ! 試薬検査が美味い 】
—— プシュ
試薬検査のアルバイトをやったことがあります。製薬会社が新製品を開発し、市場に出すにあたって人間に投与したデータを集めるさいに、その実験台になる仕事です。報酬は、宿泊する日数が多いもの、また危なそうな薬ほど高くなっています。実際、経口薬で自衛隊の施設で行うという、本当に危険なのではないかと思われるものもありました。
私がやったのは、筋肉消炎剤の塗り薬で、一定期間一日三回、腰のあたりにぬって採血を行うというものです。製薬会社は大手のA社で、病院は有名なB病院です。二泊三日の泊まりが一回あって、その他十日ほど、採血を行うために病院に出かけます。報酬は10万円で、泊まりのホテルと三食が提供され、病院で採血が行われるときは昼飯が出ます。
泊まりの時に支給される食事の豪華さには、驚かされました。朝食はホテルのセットメニューで、最初の日の昼食は、ステーキハウスでビーフステーキ。晩は、老舗のすき焼き屋で、霜降りの牛肉食べ放題のすき焼き。その他、鰻重に天ぷらなど、豪華メニューです。
初めのうちは、次はなにかと期待をふくらせますが、豪華な食事がこう続くと、かえって不安になります。よほど危険な薬なのかとも思いましたが、製薬会社の人の説明によると、「はっはっは、大丈夫。経費はたっぷりあるから」ということでした。
ホテルに泊まっていない間は、決められた分量と回数、家で薬を塗り続けていなければならないわけですが、これだけ人数がいれば、中には忘れたり怠けたりする人間もいそうなものです。それについても製薬会社の人によると、「データはいいんだよ。後でいじるのだから。やったっていう事実が肝心なんだ」とあっけからんと言い放っておりました。
試薬検査を取り仕切っていた会社C社からは、C社との契約書の他に、製薬会社本社からも契約書がくることになっていましたが、結局その製薬会社からの契約書は届きませんでした。それに、採血をしにB病院に行くたびに、看護婦さんからこうした仕事は、二度としないようにたしなめられましたので、それ以来試薬検査の仕事はしていません。
のちにその会社はデータ改ざんについて社会問題ともなりましたので、今は改善されているのでしょうが、問題となったときは、さもありなんと思ったものです。
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